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The Japanese Rimbaud

by Mikado Koko

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1.
2.
タバコとマントが恋をした その筈だ タバコとマントは同類で タバコが男でマントが女だ 或時二人が身投心中したが マントは重いが風を含み タバコは細いが軽かったので 崖の上から海面に 到着するまでの時間が同じだった 神様がそれをみて 全く相対界のノーマル事件だといって 天国でビラマイタ 二人がそれをみて お互の幸福であったことを知った時 恋は永久に破れてしまった。
3.
ウワキはハミガキ ウワバミはウロコ 太陽が落ちて 太陽の世界が始った テッポーは戸袋 ヒョータンはキンチャク 太陽が上って 夜の世界が始った オハグロは妖怪 下痢はトブクロ レイメイと日暮が直径を描いて ダダの世界が始った それを釈迦が眺めて それをキリストが感心する
4.
風船玉の衝突 立て膝   立て膝 スナアソビ 心よ! 幼き日を忘れよ! 煉瓦塀に春を発見した 福助人形の影法師 孤児の下駄が置き忘れてありました 公園の入口 ペンキのはげた立札 心よ! 詩人は着物のスソを 狂犬病にクイチギられたが……!
5.
トランプの占いで 日が暮れました―― オランダ時計の罪悪です 喩え話の上に出来た喩え話―― 誰です 法律ばかり研究してるのは 林檎の皮に灯が光る そればかりみていても 金の時計が真鍮になりますぞ 寺院の壁にトンボがとまった それは好いが あんまりいたずらは不可ません 法則とともに歩く男 君のステッキは 何という緊張しすぎた物笑いです
6.
ダック ドック ダクン チェン ダン デン ピー …… フー …… ボドー…… 弁当箱がぬくもる 工場の正午は 鉄の先端で光が眠る
7.
トタンがセンベイ食べて 春の日の夕暮は穏かです アンダースローされた灰が蒼ざめて 春の日の夕暮は静かです 吁! 案山子はないか――あるまい 馬嘶くか――嘶きもしまい ただただ月の光のヌメランとするままに 従順なのは 春の日の夕暮か ポトホトと野の中に伽藍は紅く 荷馬車の車輪 油を失い 私が歴史的現在に物を云えば 嘲る嘲る 空と山とが 瓦が一枚 はぐれました これから春の日の夕暮は 無言ながら 前進します 自らの 静脈管の中へです
8.
Circus 04:33
幾時代かがありまして   茶色い戦争ありました 幾時代かがありまして   冬は疾風吹きました 幾時代かがありまして   今夜此処での一と殷盛り     今夜此処での一と殷盛り サーカス小屋は高い梁   そこに一つのブランコだ 見えるともないブランコだ 頭倒さに手を垂れて   汚れ木綿の屋蓋のもと ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん それの近くの白い灯が   安値いリボンと息を吐き 観客様はみな鰯   咽喉が鳴ります牡蠣殻と ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん       屋外は真ッ闇 闇の闇       夜は劫々と更けまする       落下傘奴のノスタルジアと       ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
9.
汚れつちまつた悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れつちまつた悲しみに 今日も風さへ吹きすぎる 汚れつちまつた悲しみは たとへば狐の皮裘 汚れつちまつた悲しみは 小雪のかかつてちぢこまる 汚れつちまつた悲しみは なにのぞむなくねがふなく 汚れつちまつた悲しみは 倦怠のうちに死を夢む 汚れつちまつた悲しみに いたいたしくも怖気づき 汚れつちまつた悲しみに なすところもなく日は暮れる

about

"The Japanese Rimbaud -Nakahara Chuya Poetry-" is the second album of the trilogy. The sonic encounter of the 90's Warp-esque IDM sounds with Japanese experimental poems by Chuya Nakahara (1907-1937) who was called the Japanese Rimbaud.

オリジナル 2nd アルバム。90年代の Warp Records を彷彿とさせる IDM サウンドと、ジャパニーズ・ランボーと呼ばれた詩人、中原中也の実験詩が邂逅したスポークンワード・エレクトロニカ。

1. ジャパニーズ・ランボー
2. タバコとマントの恋
3. ダダ音楽の歌詞
4. 風船玉の衝突
5. 題を附けるのが無理です
6. ダック・ドック・ダクン
7. 春の日の夕暮
8. サーカス
9. 汚れっちまった悲しみに(リマスター)

詩:中原中也
音楽と朗読:みかどここ

credits

released May 21, 2020

Poetry by Chuya Nakahara
Music and spoken word by Mikado Koko
Production by Mikado Koko and Yasuna Ide
Cover design by office MIKADO

license

all rights reserved

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about

Mikado Koko Japan

Mikado Koko(みかどここ)は日本在住の作曲家、音楽プロデューサー。2017年より海外レーベルを中心に数多くのエレクトロニック作品をリリース。明治から大正の女性解放運動に貢献した文芸誌『青鞜』からタイトルを冠した2019年のコンピレーション・アルバムがスマッシュヒットを記録。収録された端唄「深川節」のリメイクはジャポニスム的クラブミュージックの代表作となった。1921年に北原白秋が訳したシャルル・ペローの「まざあ・ぐうす」を、100年後の2021年に電子音楽に乗せて朗読したアルバム『Maza Gusu』を発表、国内外で高い評価を得る。2023年には個人レーベルOgiveを設立、人工知能など2020年代の生成ツールを使って、エリック・サティやドビュッシーが生きた時代 、1890年代のサウンドとアートを再考している。 ... more

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